フード・セーフティ
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20黄色ブドウ球菌は、人や動物の体表に常在する細菌です。この食中毒が発生した場合、食材を原因と考えるより、何らかの原因で人から汚染して発生したことが強く疑われます。毒素型で発症率も高く、摂食後早く発症しますが、防止することも可能な食中毒と言えます。●●人人かからら食食品品をを介介しし感感染染すするる黄色ブドウ球菌は、人の体表に広く存在し、特に化膿部位に多く現れます。手洗いが不十分だったり、化膿巣やひどい手荒れのある人から食品が汚染され、食品中で菌が増殖する際に産生されるエンテロトキシンが食中毒の原因となります。この毒素は、100℃、30分間の加熱でも無毒化されません。●●感感染染すするるととどどううななるる潜伏期間が1~3時間と短いのが特徴です。症状は、吐き気、嘔吐、腹痛、下痢です。●●予予防防法法はは??黄色ブドウ球菌は熱に弱いのですが、産生されたエンテロトキシンは熱に強いため、一度汚染された食品は加熱しても事故を防止することはできません。黄色ブドウ球菌の汚染防止のためには以下に留意し、調理加工によるリスクを軽減するように努めることが重要です。・手指の洗浄、消毒をしっかり行います。特に手のシワ、爪の間はブラシを用います。・手指に傷がある人、手荒れがひどい人は、直接食品に触れないようにしましょう。・おにぎり、和えものなど食品に直接触れる場合は、使い捨ての手袋をつけましょう。・加熱が必要な食品は、中心部までしっかり加熱しましょう。また、加熱後の冷却も迅速に行い、中心部まで冷えていることを確認しましょう。・食品の作り置きは危険です。調理後の食品は、冷蔵庫での保存を徹底し、長時間保存を避け、早めに食べ切りましょう。毒素型の食中毒には、この他、ボツリヌス菌やセレウス菌などがあります。対策は、他の細菌同様に食中毒予防の3原則が重要ですが、この2つの菌は嫌気性菌で、酸素がない状態で活発に発育するといった特徴があります。ボツリヌス毒素は猛毒であり、真空包装を行う場合は特に注意が必要です。平成12年6月、開西地区を中心に広域流通していた低脂肪乳などの加工乳を原因として、患者数が最終的に13,420人にのぼる国内では戦後最大の食中毒事故が発生しました。調査の結果、原因となった加工乳から黄色ブドウ球菌が産生するエンテロトキシンが検出され、更に、原材料である脱脂粉乳からもエンテロトキシンが検出されましたが、黄色ブドウ球菌は加工乳、脱脂粉乳のいずれからも検出されませんでした。その後の調査で、停電により製造ラインが一時ストップしていたことが分かり、その間に黄色ブドウ球菌が増殖しエンテロトキシンが産生された可能性が高く、停電復旧後に、後の加熱殺菌工程で黄色ブドウ球菌は死滅したものと推定されました。

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