フード・セーフティ
20/34

18腸管出血性大腸菌Oオー157は、腸管内で増殖する際にベロ毒素と呼ばれる腎臓や脳に有害な毒素を作り出し、抵抗力の弱い子どもや高齢者が感染した場合、重症化して死亡することもあります。ごく少量の菌で感染することもあり、特に気温の高い夏場は、発生率が高くなるので注意が必要です。なお、Oオー157とは、大腸菌の180種以上ある菌体抗原による分類の一つで、腸管出血性大腸菌は、他にO26、O111、O118、O128などがあります。●●感感染染すするるととどどううななるる??潜伏期間はやや長めで、感染から3~8日後に初期症状が現れます。はじめはへそから下腹部にかけて鋭い痛みを覚え、水のような下痢が起こります。さらに鮮血のように真っ赤な血便が現れ、吐き気や嘔吐、発熱を伴うこともあります。重症化すると溶血性尿毒症症候群(HUS)や脳症などの合併症を引き起こし、死に至ることもあります。●●感感染染経経路路本来動物(特に牛)の腸管内に常在する大腸菌で、水や食品が何らかの原因で家畜や感染者の糞便に汚染され、それらを飲食することで感染します。井戸水、野菜類、牛肉、牛レバーなどが感染源になりますが、ユッケや浅漬による事故は記憶に新しいところです。また、少量の菌でも発症することから、食品の中で増殖することなく感染し、汚染物に接触した器具等を介して感染したり、人から人へ食品を介さずに感染することもあります。人が多く集まる施設などでは集団感染に対する注意が必要です。●●予予防防法法はは??腸管出血性大腸菌は熱に弱く、75℃以上で1分間以上の加熱で死滅します。肉類は十分加熱し、生野菜などの加熱しない食材は、よく洗った後に次亜塩素酸ナトリウムで消毒しましょう。調理器具は、食材ごと、加熱・非加熱の用途ごとに分けて使いましょう。また、井戸水は、塩素消毒するか一度沸騰させてから飲むようにしましょう。二次汚染を防ぐためにも、手洗いや調理器具の洗浄、消毒は十分に行いましょう。腸管出血性大腸菌の感染が確認された場合は、次の点に注意しましょう。特に感染者が高齢者や乳幼児の場合には注意が必要です。①感染者の便や嘔吐物の処理をするときは、使い捨てのエプロン、マスク、手袋を着用し、衛生的に行いましょう。汚染物に直接触れたときは、直ちに流水で洗い、アルコールなどで消毒しましょう。②汚染された衣服などの洗濯は個別に行い、熱湯や薬剤などで消毒した後、十分乾燥しましょう。③感染者が風呂やシャワーを使用する場合は、最後に入るようにして、高齢者や乳幼児との混浴は避けましょう。④腸管出血性大腸菌の感染は「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」で3類感染症に指定されています。届出や就業規制など、規定の措置に従いましょう。

元のページ 

10秒後に元のページに移動します

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です